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スケッチ・オブ・スペイン
スケッチ・オブ・スペイン
スケッチ・オブ・スペイン

マイルス・デイビスとギル・エバンスの共演3作目のアルバム。

きっかけは友人から"ホアキン・ロドリーゴ"のギターとオーケストラの為の「アランフェス協奏曲」を聞かされ気に入ったマイルスが、再び共演する事になったギルにこの曲のレコーディングを持ちかけた事である。

これを聞いたギルも気に入った為、今回の共演はスペイン音楽に挑戦する事となる。ヒット作を作り続けるマイルスを信頼するコロンビアもこの新たな企画に乗り気であったが、

アメリカ人の黒人ジャズミュージシャンがスペイン音楽に挑む訳で、特に「アランフェス協奏曲」は二人が作り上げた作品の中で最もジャズとかけ離れた作品であり、さすがのマイルスとギルでも容易な仕事では無かったようである。

特にギルのホーンアレンジは、弦楽器の様なアレンジとなり、まっすぐなロングトーンを必要とし、マイルスを始め参加した管楽器プレーヤーにとっては、息の長さを必要とし大きな負担となった。

またこのレコーディングの為ギルは、スペインの民族音楽を研究し、ペルーインディアンの即効演奏から"The pan piper"スペインのマーチのサエタから"Saeta"フラメンコの基本形式から"Solea"を作曲し、このアルバム以降もしばらくスペイン音楽に傾倒する。

やっぱり「アランフェス協奏曲」に尽きますね。
チック・コリアのスペインの前奏のアランフェスはきっとここから来てるんでしょうね。
author:右山裕介, category:Miles Davis, 20:30
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Kind of blue4
Kind of Blue
Kind of Blue

ビル・エバンス脱退後のマイルス・デイビス・セクステットには、再びレッド・ガーランド(P)が戻ってくるが、相変わらずの素行の悪さにより、当事ディジー・ガレスビーのバンドに居て、マイルスの目に留まったウィントン・ケリーが新たに加入する。

Kind of blueの一回目のセッションは1959年の3月2日行なわれるが、それは決して何かを生み出そうと満を持して行なわれたものではなく、契約上の普段と変わらないものであったが、マイルスはこのレコーディングの為に再びビル・エバンスを呼び戻す。

前回ビル・エバンスを起用した時はまだバンドのパフォーマンスがライブでもレコーディングでもスタンダード・ナンバーが中心だった為、モードの可能性を探る迄には至っておらず、そこで今度は全曲オリジナルのアルバムでモードの完成を目指そうというのが大まかのコンセプトだったようである。

マイルスが収録曲を思いついたのがレコーディングの数時間前で、そして持参してきたのは楽譜では無く大まかなスケッチ程度のもの。"So what"All blues"Freddie freeloader"にいたってはそれすらも無く、マイルスによる指示も演奏直前に一言か二言ぐらいであった程度だったらしい。

これらは、偶発的なサウンド生み出す為にマイルスがわざととった行動であったが、なんとレコーディングはたった二日間で、ほぼテイク・ワンで録り終えた為、のちに伝説のセッションと言われる事になる。

しかしその後"So what"と"All blues"は初演では無かったとか、実際のマスターテープを聞くと何度も演奏が途中で止められていたり(最後迄演奏し終えた物だけテイクに数えられていた。)色々と事実が発覚するが、他の作品に比べてマスターテープの録音時間が圧倒的に少ない事は間違い無いようだ。

こうして録音された演奏は独自の緊張感、高い芸術性、完成度を持ちKind of blueはモダン・ジャズ至上最高傑作と賞賛され、モード奏法の完成を世に知らしめた。確かに"So what"と"All blues"などはその後のライブでも良く演奏されているが、Kind of blueの物とは全く別物である。

しかもメンバーの誰もがこうなる事を予想せず、マイルス自身でさえ自分がやろうとしていた事と結果的にちがう物になったと後述している事も面白い。

前から言っている通りジャズにのめりこむきっかけになったアルバムです。やっぱり曲を探りながら演奏しているように聞こえるんだけど、それが独特の緊張感を生み出して結果的に各メンバーのソロも凄く良いし、偶然なのかマイルスの計算なのか良く判らないけど、まさしくアドリブが成し得る芸術って感じで、聴きば聴くほど好きになりその都度印象が変る作品ですね。至上の愛も同じかな・・・だからジャズは辞められませんね。

author:右山裕介, category:Miles Davis, 20:15
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1958マイルス+2
1958マイルス+2
1958マイルス+2

Milestonesの爆発的ヒットにより人気を不動の物とした"マイルス・デイビス・セクステッド"がまた新たな局面を迎える。

まず以前から素行が悪く、マイルスとの関係が微妙だったレッドガーランド(P)が、Milestonesの"sid's Ahead"のレコーディング中に起きた事件(レコーディング途中に帰ってしまう)をきっかけに脱退。

マイルスはモード奏法の出来るピアニストを探し求め、古くからの友人である作曲家"ジョージ・ラッセル"から"ビル・エバンス"を紹介される。

ビルのピアノを聞いたマイルスはそのプレイを「静かな情熱」「水晶の様な音色」「滝から水が落ちるようなフレーズ」と絶賛し即座に彼を雇う。

またレッド・ガーランドと同じく素行に問題があったフィリー・ジョー・ジョーンズ(Dr)に見切りをつけ後任にジミー・コブを迎える。

そしてこのメンバーによる始めてのセッションがこのアルバムに収められており"On green dolphin street"Fran dance"Stalla by starlight"では、いかにもビル・エバンスらしいプレイを聞く事ができて、バンドもそれに合わすようにソフトで抑制を効かせたサウンドを奏でるのだが・・・

この日最後に録音された"Love for sale"は、その抑制に苛立っていたメンバーの鬱憤晴らしだったようで、実際ビルのアプローチはバンドのメンバーにはあまり理解されていなかったようである。

またグループ内のただ1人の白人として、観客からは強い偏見の目で見られ、マイルスからのイジメもあり結局7ヶ月で脱退するが、この事はビルにとって大きな自信となったようで、自己のトリオを結成するきっかけにもなったようである。

またこのメンバーによるライヴはAt Newport 1958ジャズ・アット・ザ・プラザに収められているが、こちらはハードな演奏が中心でエバンスの出る幕は無しって感じである。
author:右山裕介, category:Miles Davis, 20:04
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Porgy and Bess
Porgy and Bess
Porgy and Bess
Miles Davis,Gil Evans

1958年発表のギル・エバンス、オーケストラとの共演の二作目

テーマは巨匠ジョージ・ガーシュウィンが1935年に作曲したオペラ「ポーギーとベス」

その頃"ポーギーとベス"が映画化される事になり、以前"マイ・フェア・レディ"が映画化された際に制作されたシェリー・マントリオによる"ジャズ・アレンジ"のアルバムが大ヒットした為、持ち込まれた企画らしい。

しかしそんな物を天下のマイルスがすんなり受ける訳も無く、

とりあえずギル・エバンスが各楽曲を分析し、これはビ・バップでは無く"歌"であると説明した所、脱ビ・バップとモード奏法の完成を目指していたマイルスは、なんとか引き受けたという事である。

アルバム全体の印象としては、もちろん原曲の影響もあると思うが、かなり暗くて重苦しい。前作マイルス・アヘッド+4の様な脳天気さもなく、正直慣れる迄ちょっと聞きづらい。

このアルバムから本格的にモード奏法が取り入れたのだが、逆にコードの展開が無い分、全体的に淡々とした印象を受けてしまう。

マイナーの曲が多く、最後から2曲目の"I love you ,porgy"でちょっとほっとするが、これも無理やりモードにしてコードを減らしてるみたいで、正直あまりピンと来ない(笑)

ただ一曲目"Buzzard song"のブラスのイントロから始まり、マイルスのソロに向かう展開などが、ちょっと"So what"の様式美に似ている様な気がしたりして、

最近は、何となくこのアルバムに"Kind of Blue"のルーツを感じており、おもしろく聞いています。
author:右山裕介, category:Miles Davis, 19:58
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Somethin' Else

Somethin' Else
Cannonball Adderley

1958年に名門ブルーノートレーベルから発表された名盤中の名盤。名義はキャノンボール・アダレイとなっているが実質マイルス・デイビスのリーダー作とされる。

その経緯は、1951年にマイルスはブルーノートレーベルから年一枚のペースでアルバムを発表する契約をするが、薬物中毒の為3枚のアルバムを発表した後、1954年に頓挫してしまう。

その後、薬物中毒から立ち直り1955年に大手コロンビアと契約。ジャズ界最高額のレコーディング・アーテイストとなったのだが

不遇の時代に手を差し伸べてくれたブルーノートの恩情を忘れる事なく、3年後ブルーノートに帰ってくるのだがコロンビアとの契約上、名義はキャノンボール・アダレイとなっているそうである。

このような感動秘話を持つこの作品の聞き所なんと言っても一曲目の"枯葉"元々はシャンソンの名曲であったが、このレコーディング以降ジャズ・スタンダードの定番となる。

印象的なイントロが余りにも有名すぎて、まずこれを演奏する事も無いし、他の人がやっているのもあまり聞いた事が無いんだけど、

以前ナット・アダレイ(キャノンボールの実弟でTp)を見に行った時に、このイントロから枯葉が始まって、無茶苦茶感動したんだよね、「やっぱり本物は違うな」って(本物じゃないけど)

後はハンク・ジョーンズのピアノが最高!!今年で90歳。早く見に行かないと・・・
author:右山裕介, category:Miles Davis, 19:53
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Milestones
Milestones
Milestones

当事人気絶頂であったジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョーによるマイルス・デイビスクインテットも、薬物中毒等によりポール・チェンバース以外のメンバーが脱退(クビによる)するなど、存続の危機を迎えるが

その後、何とか立ち直ったメンバーを再び呼び戻し、また当事注目されていたアルト・サックス奏者"キャノンボール・アダレイ"加えたマイルス・デイビス・セクステッドとして生まれ変わる。

ブルースに根ざしたキャノンボールのプレイと和声的でフリーなコルトレーンのプレイに、間を取り漂うようなマイルスのプレイとの対比や融合より生み出されるサウンドに他のメンバーも刺激され、バンドは以前に増して機能していったのである。

このメンバーで1958年に録音されたのがこの"Milestones"で、タイトル曲のMilestonesはモード奏法で作曲録音された最初の作品。

モードとは音階の事で、ジャズの楽曲にはコード進行があり、プレーヤーはそのコード進行に音階を当てはめアドリブをとるのだが、モードの曲には、5度進行の様な所謂コード進行は無く、音階その物でアドリブを創造する為、より自由な発想での演奏が可能となり、その後のジャズの主流となる手法の事である。

ただ、Milestones以外の作品は普通のジャズなので(もちろんかっこいい)マイルスが追求する脱ビ・バップの新しいサウンドは次作"Kind of Blue"で完成するのであった。
author:右山裕介, category:Miles Davis, 12:50
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Miles Ahead
マイルス・アヘッド+4
マイルス・アヘッド+4
マイルス・デイヴィス

マイルスの念願であったギル・エバンス・オーケストラと共演した1957年の作品。前年のコロンビア移籍の目的はこの共演だったとも言われている。

この二人の初競演は1950年に逆登り、当事チャーリー・パーカーのグループでくすぶっていたマイルスとクロード・ソーンヒル・オーケストラのアレンジャーで行く末に不安を感じていたギル・エバンスが意気投合。

アドリブ中心だったビ・バップをオーケストラアレンジし、ある程度自由も利くようにと少人数に編成したのが"マイルス・デイビス・ノネット(九重奏)"であり、その作品クールの誕生は、実験的な要素が大きかったが、後のクール・ジャズやウェスト・コーストの基礎を作ったとされ高評価受ける。しかし9人の維持とマイルスのドラッグ中毒と治療の為、挫折してしまう。

この再共演は当初"クールの誕生"と同じ9人編成の予定が、マイルスの要望で19人編成となったが、いわゆる普通のフルオーケストラの様な形式的なサウンドにはならず、マイルスのソロにまるでピアノの様に自由に絡むオーケストラは圧巻で、この辺りが"ギル・エバンス"の巨匠たる所以なんでしょうね。

マイルスの他、ジャコ・パストリアスが物凄く影響を受けたという事で昔から"ギル・エバンス"には興味を持ってるんだけど"フルオーケストラ"やアレンジについてそれ程詳しくないので、実際どれだけ凄いのか良く分からないんだよね(笑)今後の課題ですね。
author:右山裕介, category:Miles Davis, 12:42
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'Round About Midnight
¥'Round About Midnight
'Round About Midnight
Miles Davis

名門コロンビア移籍第一弾の作品。マラソンセッションで頑張ってプレスティッジとの契約(アルバム4枚分の録音)を消化し、大手を振って録音された魂心の作と思いきや、実はプレスティッジと契約中に隠れてコソコソと制作された作品

このアルバムのRecording Date を見てみると曲目が1955.10.26でぁ銑Δ1956.6.5で´が1956.9.10と、ほとんどの曲がマラソンセッションと平行して録音されており△忙蠅辰討蓮マイルス~ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテットの録音以前となる。

マイルスのしたたかさにも驚かされるが、そのマイルスを好きになったのはこのアルバムから。

以前にも書いた通り、その前から聞いていたSteamin'はじめマラソンセッションの作品には多少抵抗があって、確かに当事は両作品に違いを感じていたと思うのだが・・・

今冷静に聞くとそれ程違いも感じられず、曲目もマラソンセッション同様、当事のレパートリーを録音しているだけで、同じコンセプトの作品の様な気がする。

ただコロンビアのミックスダウンが良いせいか、プレスティッジの作品より新鮮さや力強さを感じ、何となく別物の様に聞こえていたのはそのせいかも知れない

聞き所は、やっぱりパーパッパー、パッパーって言うギル・エバンスの緊張感のあるアレンジが一躍有名となった"Round about midnight"だと思うが、
マイルスがミュートで吹く"All of you"や"Bye bye black bird"のかわいらしいテーマメロディーも大好きです。
author:右山裕介, category:Miles Davis, 05:45
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Steamin'〜マラソン・セッション
Steamin¥'
Steamin¥'
Miles Davis Quintet

名門コロンビアと契約したマイルスは、あと4枚のアルバム制作する契約が残っていたプレスティッジと早く縁を切る為に、たった2日間で4枚分のレコーディングをしてしまったという。これが”マラソン・セッションと呼ばれる所以である”。

そしてこの模様が収められているのがWorkin'Steamin'Relaxin'Cookin'の4枚であり、これらをたった二日間で4枚分24曲(収録曲)を録音したマイルス・クインテット演奏技術の高さには脱帽である。

全体を通した印象は、かなりこ慣れた感じで、多分日程を考え新曲等は入れず、普段クラブで演奏しているレパートリーを中心に録音したのだろう。ただ全体的にドラムの音が大きめなので、ちょっと荒々しい演奏に聞こえる。

またレコーディグ日時は、1956年5月11日と10月26日でこの両日の"ポール・チェンバース"のベースの音聞き比べると何故か音が違う(笑)好みを言うと5月の方が良い。10月の音は軽くて伸びが無い感じ(詳細不明)

なぜ今回"Steamin'"かと言うと初めて買ったマイルスのレコードがこれだったからである。17.8歳の頃だと思うが何も知識も無く、数あるレコードの中からジャケットのデザインだけで選んだのがこのレコードである。一番印象に残っているのが一曲目の"Surrey with the fringe on top"なぜなら当事はこれ以上聞く事ができなかったからである。(笑)

レッド・ガーランドの軽やかなイントロからマイルスのミュートのメロディーからソロ。ここ迄は良いのだがその後コルトレーンのソロ。バヒ〜っボヘ〜っ。あ〜聞くのがつらい!(笑)あと2曲目にドラムの"アフロ・ビート"が出てくるんだけど、これも駄目だったんだよね、なんかチンドン屋みたいで(笑)

でも今では、この"Steamin'は好きなアルバムの一つになっています
author:右山裕介, category:Miles Davis, 03:55
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The new Mils Davis Quintet
マイルス~ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテット
マイルス~ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテット

ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズによるのちに"オールアメリカンリズムセクション"と評されるメンバーによるデビュー作

なんとも言えないジャケットで(笑)正直聞くまで何も期待していなかったが、聞いてびっくり全体的に曲のテンポも遅くバリバリ吹きまくるソロもないが全体的にとても洗練されたサウンドで、それまでのモダンジャズジャイアンツと作り上げたサウンドから脱却し新しいサウンドが生まれた感じがするし、個人的には"オールアメリカンリズムセクション"の存在意義というかスタイルを確信したアルバム。

当事無名だったメンバーを発掘し新しいサウンドを作り上げてしまうマイルスは凄いよね。その後も"黄金のクインテット"を生み出しジャズに新たな革命をもたらすのである。
author:右山裕介, category:Miles Davis, 12:48
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