- Bill Evans live at Top of the Gate
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2012.06.05 Tuesday
ライブ・アット・トップ・オブ・ザ・ゲイト (Live at Top of the Gate) [2CD] [日本語帯・解説付/輸入盤]
新品価格
¥3,200から
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久しぶりにCD評を書きます。本来、大好きなマイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスの音源などを中心に音楽評を書くつもりで始めたブログでしたが、いつのまにかクダクダになってしまいまして(笑)今回、ご紹介するのは5月20日に発売された"Bill Evans live at Top of the Gate"1968年10月23日ニューヨークトップ・オブ・ザ・ゲイトでの2ステージをセットリスト通りに収録した完全未発表音源で、メンバーもベースにエディ・ゴメス、ドラムはマーティン・モレロ。ドラムのマーティン・モレロが加入後のビル・エヴァンス・トリオの公式音源が、1969年1月に録音された"What's new"になるのでマイルスにジャック・ディジョネットを引き抜かれ、後任にマーティン・モレロが加入直後の頃でしょうね。セットリストも"Yesterdays"や"My Funny Valentine"等、確かトリオではやって無かったよな?みたいな曲が収録されているのは大変嬉しいです!実際聴いてみると音も演奏もすばらしく。同じく1968 年名盤"お城のビルエバンス"の直後とあって、これから黄金期を迎えるトリオに相応しい内容です。マーティン・モレロが新入りらしく控えめですが、全体の雰囲気としては前前任のドラマー"アレックス・リール"が演奏する1966年の"Live in OSLO"に似てますかね?この後、モレロも個性を発揮しトリオのサウンドも大きく変貌するので、その変遷を知る上では、貴重な音源と言えるのでしょう。エディ師匠も一曲目のエミリーから飛ばしまくっていて相変わらず凄いですが!!もうそろそろ、この人のプレイを聴いて落ち込みたくないんですけどね(笑)やっぱりガット弦に変えようかな・・・
- The paris concert
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2008.06.10 Tuesday
The paris concert
新加入のドラマー"エリオット・ジグモンド"と"エディ・ゴメス"のトリオによる1976年ニューポート・ア・パリでのライブ録音。
このトリオでのライブ盤は、あと数枚出ているが全て入手困難な状態。このアルバムはまだ大丈夫かと思っていたら、なんとAmazonにも無かったのでサムネイルは自作です(笑)
エリオット・ジグモンドは1945年ブロンクス生まれで、50年代と60年代をジャズ全盛のニューヨークで育ち、ジャズギタリストであった兄の影響で15才からドラムを始め マンズ音楽大学とニューヨーク市立大学で音楽を学んだという事であるがビル・エバンスとの他、ミシェル・ペトロチアーニ等と共演し現在も活躍中である。
演奏の印象は、前任のマーティン・モレロより若干ソフトな感じかな・・・
このアルバムは、確か21か2ぐらいの時に買ったもので、当事「いつか王子様が」が入っているからって事で選んだのだと思ったが(笑)
これを聴きいてビル・エバンス・トリオの演奏の凄さに圧倒さたんだよね。エディ・ゴメスも何をやっているのか全然分からないけどこういう弾き方もあるんだなって
ビル・エバンスの印象が変わったというか、どこがリリカルで情緒的なんだ?なんて思ったりして・・・
そんな懐かしさが甦る作品ですが、今聞いても演奏も選曲も良いし(特に最後Waltz for Debbyが良い)たまにヤフオクに出ていますので(笑)機会があったら聞いて見てください。
- Quintessence
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2008.05.10 Saturday
Quintessence
Bill Evans
ドラマーのマーティン・モレロが脱退後、後任としてエリオット・ジグモンドが加入するがトリオとしての活動はLIVEのみとなり、
公式盤はSince We Met以降、デュオやソロの作品等が続く。
そんな中1976年に発表されたこの作品はクインテットによる物で、メンバーはフィリー・ジョー・ジョーンズ(Dr)ハロルド・ランド(Ts)ケニー・バレル(G)でベースはなんとレイ・ブラウン。
ドラムがフィリー・ジョー・ジョーンズという事で1962年に発表されたInterplay再演と話題になる。
ビル・エバンスといえば"トリオ"ってイメージが強んだけど、以外とトリオ以外のアルバムも多くて、本人もトリオだけでは飽きられてしまうと思っていたらしく、定期的に企画物を織り交ぜていたようである(笑)
アルバムの印象はやはりいつものエバンスとは違うというか、何かハービー・ハンコック等、エバンスの次の世代の人のアルバムを聞いている感じかな・・・?
でも最大の聞き所は、なんと言ってもレイ・ブラウンとの共演!!
ただこちらもレイ・ブラウンがエバンスに合わせ過ぎて、今一つ本来の持ち味が出ていない様な・・・一応"Second time around"は、トリオでも演奏。
Interplayでの"パーシー・ヒース"(B)との共演は良かったけどね。でもこれ以外共演は無いので貴重な一枚です。
- Montreaux, Vol. 3
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2008.03.10 Monday
Montreaux, Vol. 3
Bill Evans with Eddie Gomez
前作Intuitionに続きビル・エバンスとエディ・ゴメスとのデュオの作品で今回は、1975年おなじみモントルーでのライブ録音。
色々な人のデュオの作品も聞いているが、だいたい妙な"間"が空いていたり、それ埋めようといつもより音数を多く弾いていたりと、やはり特別なアンサンブルと言う感じがするのだが、
この2人に関しては全くそれを感じないんだよね。いつも通り自然体と言うか・・・
何かのビル・エバンスのインタビュー記事で、トリオではベースとの関係を重要とし、ドラムはそれに合わせられる人材を選んでいるって事が書いてあったので、
すでにピアノとベースのデュオの時点でトリオのサウンドが出来上がっているという事なのですかね。
ただ、どうしてもそれ以上の関係を想像してしまうのだが・・・(笑)
聞き所も多く、8曲中6曲が新曲で、なぜか"Milano"Django"などジョン・ルイスの作品を取り上げているが興味深いが、もちろん演奏は言う事無し。
エディ師匠も大活躍で一曲目"Elsa"のアルコソロや"I love you"での掛け合いは圧巻。
最後の"Summer Knows"は昔良く演奏した、ちょっとトラウマティックな曲です。
- Intuition
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2008.02.11 Monday
Intuition
Bill Evans with Eddie Gomez
1975年にドラマーのマーティン・モレロが家庭の事情で脱退しその後、後任のドラマーエリオット・ジグモンドが加入するまでの空白の期間に発表されたアルバム。当事珍しかったピアノとベースによるデュオという事で話題を呼ぶ。
マーティン・モレロの脱退については、親密で対話的なビル・エバンスとエディ・ゴメスのプレイが急速に発展した為、入り込む余地が無くなったのが原因と見る向きもあり、究極の対話を目指すビル・エバンスとエディ・ゴメスにとってデュオは必然的だったとも言われている。
実際聞いて見るとドラムレスというハンディは全く感ず、二人共のびのびとプレイしている。別にどちらかがドラムの役割をカバーするような事もなく
要するにいつものトリオでの演奏でドラムが居ないだけなのである(笑)
ドラムが居なくても、これだけの演奏する二人に驚くと共に、ドラムの入り込む余地が無いという意見にもちょっと納得。
多分ドラムが入っていたら普通の作品になっていただろうし、当事しばらくアルバムセールスが落ち込んでいたという事情を考慮すると新しい事をする必要があったのかも知れない。
しかしデュオという究極の対話を完成させた二人は、その後の方向性を失い10年以上続いた関係を解消する事になるのである(涙)
あとドラムレスでべースの音が良く聞こえるのでベーシストには嬉しい事ですが、まぁ聞こえたからと言っておいそれとマネできる物じゃないけどね・・・
- But Beautiful
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2008.01.14 Monday
But Beautiful
1974年のビル・エバンスのツアーにスタン・ゲッツがゲスト参加した時の録音でメンバーはエディ・ゴメスとマーティン・モレロ。
二人の共演は、5回程行なわれている様だが、アルバムとして残されているのはこの他1964年のスタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス+5である。
スタン・ゲッツはクール派を代表するサックス奏者であると共に、ボサノバ奏者の第一人者としての評も高く、また共演者も多く1963年にはジョアン・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビンと共にゲッツ/ジルベルトを発表したり(グラミー賞4部門を受賞)チック・コリアとも共演している。
一方エバンスも当事インタビューなどで"最も気になるミュージシャン"としてスタン・ゲッツの名を挙げており、二人の共演は決して多いとは言えないが、とても息の合ったプレイを聞かせてくれる。
選曲もBut Beautiful,Emily,Funkalleroなどエバンスが良く演奏するナンバーやオリジナルが多く聞きなれた曲をスタン・ゲッツのサックスで聞くと新鮮で良い、
というかサックスというとてもHOTな楽器でエバンスの様にクールにプレイできるスタン・ゲッツのうまさに感動!!
一番好きなのは一曲目のGrandfather's Waltz かな
- Since We Met
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2007.12.10 Monday
Since We Met
1974年1月11、12日のビレッジバンガードでのライブ録音で。
このアルバムの未発表曲がビル・エバンスの死後Re: Person I Knewとして発表される。
ビレッジバンガードと言えば、ビル・エバンストリオの名を一躍有名にしたライブハウスであり、スコット・ラファロ、ポール・モチアンとの1961年の伝説のライブはWaltz for Debby,Sunday At The Village Vanguardに収められている。
この"Since We Met"は上記のライブ以降、正式に発表されたビレッジバンガードでのライブ盤で。その後もビレッジバンガードには出演していたが、上記のアルバムのイメージが強すぎるのかライブ盤を制作するには至らず、Fantasyレーベル移籍第一弾として伝説のライブから13年後の演奏が発表される事になる。
どうしても1961年と比較してしまうが、なんと言っても客の反応が違う。1961年の方は、まだ人気が今一なのか演奏中なのに客の話声グラスの音が聞こえ拍手もまばらで、あまり演奏を聴いていない様な雰囲気だが
こちらは、静寂の中で演奏が行なわれ曲が終わると大きな拍手が起こり、観客が演奏に魅了されている雰囲気が凄く伝わってくる。この両者の違いは何かサクセスストーリーを見ているようで感動的である。(笑)
演奏もハードではなく1961年を彷彿させるような、ゆったりとした"リリカル"な雰囲気でとても良い、またこの後しばらくしてドラムのマーティン・モレロが脱退した為、マーティンが参加した最後のアルバムとなる。
- bill evans Live in Tokyo
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2007.11.10 Saturday
Live in Tokyo
1973年のビル・エバンスの初来日公演、1月20日郵便貯金会館の模様を収録したアルバム。メンバーはエディ・ゴメス(B)、マーティン・モレロ(Dr)。曲目は新曲が多く"Up with the lark"Yesterday I heard the rain"When Autumn comes"T,T,T,T"Hullo bolinas"などは日本初演の為、単なるライブ盤と言うより"新作"の要素が大きいアルバム
これも好きで良く聞くアルバム、とにかく演奏が良い!上質なアンサンブルと言うか、まさしくプレーヤー同士が自己主張しつつお互いの個性を引き出しあっていると言う感じで、スタジオ盤である"bill evans album"にも引けをとらない演奏をliveで聞かせてくれます。
もしタイムマシーンがあれば(笑)ぜひ見たいコンサートを一つですね、初来日公演で新曲が多いと言うのは嫌な感じだけど(笑)演奏を聴く限り、しっかりビル・エバンスのサウンドになっており違和感も感じないし。
またおなじみの"My romance"の他、未収録であるが"Waltz for debby"Who I can I turn to"emily"なども演奏し終盤にはあのスコット・ラファロの名曲"Gloria's step"を演奏。きっと盛り上がったんだうな・・・
場内総立ちで・・・それは無いか
- What's new
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2007.10.09 Tuesday
ホワッツ・ニュー
ビル・エヴァンス&ジェレミー・スタイグ
トリオに新たなメンバーにマーティン・モレロ(dr)を加え、64年以来念願だったフルート奏者、ジェレミー・スタイグと競演したアルバム。
まずマーティン・モレロ(dr)については20代の頃に初めて聞いた時に、凄くうまいドラマーだなと思った記憶があってビル・エバンスの歴代ドラマーで一番最初に名前を覚えたのがこの人。当事はドラムと言えば"スティーブ・ガット"みたいな時代であったが、ドラムの先輩曰くガットの前はモレロだったとの事。ただ最近名前を聞かないのが残念。
ジェレミー・スタイグのプレイはとても激しくて今までのフルートのイメージを覆された感じ、サックスの様にオーバーブロウしたり、時には"虚無僧の
尺八"のように聞こえるが(笑)ビル・エバンストリオと良くマッチしている。
あとサウンドの新たの局面として、一曲目の"Straight no chaser"の様にテーマをユニゾンで演奏したり、ソロの掛け合い等、構成のアレンジが加わり、その後の作品でも多く見られるようになった為、この辺からテクニカルなイメージが生まれた気がする。
また興味深いのが"Kind of blue"以来の正式レコーディングになる"So what"
が収録されている事。"Kind of blueのso what"のエバンスのソロが物足りない(笑)と感じた方々も必聴!ここではかなり弾いています。
- At The Montreux Jazz Festival
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2007.09.11 Tuesday
At The Montreux Jazz Festival
ビル・エバンス、エディ・ゴメスに名ドラマー"ジャック・ディジョイネット"を加えての1968年モントルージャズフェスティバルでの演奏を収録したものである。"ジャック・ディジョイネット"との公式録音はこれ一枚のみなのでスポット参加と思われがちだが、実はレギュラーメンバーとして1968年春から8月ごろまで活動している。
ではなぜ"ディジョイネット"が辞めてしまったというとそれは"マイルス・デイビス"の強引な(笑)引き抜きにあった為で"ディジョイネット"はその後マイルスの名盤 Bitches Brewに参加"電化マイルス"の主要メンバーとなる。
演奏に関してはとにかくハードである。あきらかに"ディジョイネット"の参加とそれにより影響を受けた"エディ・ゴメス"よって"エバンス"の音楽がハードに力強いものに変化した感じであり、このアルバム以降メンバーは変わってもハード路線は最後迄続く事となる。
とにかくこの"エディ・ゴメス"は凄いにつきる。フレーズ云々では無く、ハートが凄いというか、完全にぶち切れているよね(笑)。一曲目の"One for helen"なんて何でこういうアプローチができるのか本当に不思議。"エディ・ゴメス"にはまるきっかけになったアルバムです。